最多勝獲得にも貢献したグラブの進化
プロ8年目を迎えた2021年、背番号が11に変わった広島東洋カープの九里亜蓮選手。コロナ禍での過酷な状況でも熱いピッチングで活躍し、自身初の2桁勝利となる13勝を挙げ、初タイトルとなる最多勝を獲得した。自分のプレースタイルを貫く揺るぎない「誇り」を胸に常に先頭を走り続け、名実ともにチームの中心となった漢の、グラブへのこだわりを聞いた。
初タイトル獲得は仲間に感謝!
昨シーズンについてご自身でどのように振り返られていますか?
昨シーズンから背番号が変わり、「新たな気持ちでしっかりとやらなければいけない」という強い気持ちがありました。療養のため約1カ月、戦線離脱しましたが、最終的に25試合に先発し、最多勝というタイトルを獲得できたことは嬉しかったです。プロとしてタイトル獲得は一つの目標ですから。もちろん、タイトルは自分一人の力で取れるものでは決してなく、攻守でサポートしてくれるチームのみなさんのおかげだと思いますので、感謝の気持ちの方が大きいです。一方で課題もたくさん出たシーズンでもありました。
課題とはどのような点でしょうか?
やはり打たれた試合が多かったのは課題ですね。防御率はまだまだ改善できると考えています。そして完投数を増やさなければならないという思いが、今まで以上に強くなりました。最後までマウンドを任せてもらえるピッチャーになれるように、さらに練習を積んでいきます。ただ、どのような状況でもマウンドでは冷静にピッチングできましたし、特にまっすぐの強さを追求できた点は大きな収穫だったと捉えています。
ザナックスでベストなグラブが完成
九里選手にとってベストなグラブとは?
体の一部と感じられるようなグラブがベストだと思っています。僕の場合ザナックスさんと改良を重ね続け、昨シーズン完成形に近づいたという確信があります。ですので、今シーズンは昨シーズンと同じモデルを使うつもりです。ただ、体の変化に合わせて、使いやすいグラブの形状は変わっていきますので、そういう意味では、今後もザナックスさんにご協力いただいて調整は続けていきたいと考えています。
グラブをどのように改良していったのですか?
実は、昔は土手が横とじのグラブを使っていたのですが、ザナックスさんにお世話になってから、横とじと縦とじでどちらが自分に合っているのかという部分から考えていきました。結果、自分の握り方的には縦とじが良いとわかり、そこから最適な形状へとさらに改良を重ねていきました。ザナックスさんのグラブを使い始めたことで、体の使い方まで変わっていきましたし、プレーにも良い影響を与えてくれています。
現時点での完成形とはどのようなグラブなのでしょうか?
2020年のシーズンはフィンガーバックスタイルで指を出す位置が人差し指部分にありましたが、2021年は指を出す位置を中指にしたんです。きっかけは外国人選手が使用しているグラブを触らせてもらった際に、自分のフィーリングにマッチすると感じたことでした。ザナックスさんにはオーダー通りに最高のグラブを仕上げていただき感謝しています。
※2021年シーズンに使用した
試合用グラブと練習用グラブ
九里流のメンテナンス術と型付け方法
グラブのお気に入りポイントはどこですか?
日本製で革が抜群に良い点ですね。メンテナンスをすればとても長持ちする所もすごく好きです。個人的には、練習用に作ってもらう派手なグラブもお気に入りです。毎年カラーリングを変えてもらっていて、ゴールドとピンクのグラブはチームメイトからもびっくりされましたね(笑)。
グラブのメンテナンスはどのようにされているのですか?
しっかりと埃を落とし、その後に艶出しワックスをグラブの表面にも裏面にも塗って丁寧に磨いていきます。グラブは本当に大事なものなので、汚いまま放置することは絶対にありません。最高の状態が長く続くようにメンテナンスをきちんとしています。
野球が好きな子どもたちにもメンテナンスの重要性をぜひ伝えてください。
ご両親に買ってもらったり、お小遣いをためて買ったりしたグラブを長く使えるように大切にしてほしいと思います。汚れたら磨く、というか毎日でも磨くようなイメージでケアしてください。これはバットやスパイクも同じです。毎日自分でちゃんとメンテナンスした道具を使うと、試合で凄いプレーができたり、凄い打球が打てたりということが絶対にあります。だから道具一つひとつを大切にしてもらいたいですね。
型付けについてもみなさん知りたいと思うのでぜひ教えてください。
自分の使いやすい型付けを模索するのが一番ですね。僕の場合は、握る時に親指と薬指の所がとじる縦とじのイメージで、丸めて、揉みまくって型付けします。そこからボールをバシバシ受けて、ポケットを深くしていく感じですね。大学時代に、現在ソフトバンクに在籍する東浜選手を見て参考にしました。
投手キャプテンにも就任する2022年シーズンへの意気込み
2022年シーズンは投手キャプテンに就任されます。九里選手のビジョンをお聞かせください。
昨シーズンは大地(大瀬良大地選手)がキャプテンとしてみんなを引っ張ってくれました。ただ、大地と僕とでは性格も違いますし、同じようにやろうとは考えていません。自分の強みや特性を活かした独自のやり方でチームを引っ張っていけるように頑張りたいと思います。
特にどのような点に注力していくお考えですか?
コミュニケーションですね。僕自身そんなに口が達者なわけではありませんので、自分なりの方法で一人ひとりとしっかり連携を取っていきます。まず、自分から積極的に話しかけていこうと思っています。
アドバイザリースタッフになり5年目のシーズンを迎えられます。2022年シーズンの意気込みをお聞かせください。
チームとしては3年間悔しい思いをしているので、優勝できるように頑張ります。そのためにも、現在の完成形といえるザナックスさんのグラブを使い、「とにかくチームの勝利に貢献する」という気持ちで全力投球していきます。
最後にファンの方へメッセージをお願いします。
昨シーズンもみなさまの応援が力になりました。優勝に向けてチーム一丸となって頑張ります。今シーズンもあたたかいご声援をよろしくお願いします。
ご注文合計金額 11,000円(税込)以上で送料無料